岩間合気道の凄さを体感した話
先日、岩間合気道4段の格闘技実況アナ鍵野泰加彦さんとコラボ撮影を行った。既に何本か動画がアップされている。鍵野さんのチャンネルで全6本を順次公開予定。
格闘技実況アナ鍵野泰加彦チャンネル(既に公開されている動画)
撮影前に一度お会いして数時間、武術にまつわる色々な話をして今回の撮影に臨んだ。手合わせは撮影日が初めて。
1本目の動画で私が「あ、なるほど~」と言っている場面がある。これが今回、話したい内容だ。
手刀と手刀を合わせて崩すと言う、単純な技で効き具合の変化を見ることになった。先ずは私が塾生(全員、正中心練磨に移行している)に技をかけ、鍵野さんにも同様に体験してもらった。
結果、動画を見れば分かる通り、鍵野さんには発勁が非常に効き難い。速い発勁だと綺麗に効いている。
鍵野さんの身体運用法は、力でグッと無理やり下げる時に直ぐに気付いた。化勁では無い。腹を使って力を出すことを常としているのを直ぐに感じ取った。なので抵抗力が異常に強い。通常の人には出せない力だ。
岩間合気道は、合気道開祖である植芝盛平(1883年12月14日 - 1969年4月26日)の技術が色濃く残る合気道だ。植芝盛平と肥田春充(1883年12月25日 - 1956年8月24日)は同級生。ちょっとした驚きではないだろうか。

合気会、岩間合気道どちらも植芝盛平が関わっているのだが、鍵野さんは合気会ではなく岩間合気道を選んだ。今度、その理由を聞いてみたいと思う。
合気会の方から聞くところによると、岩間合気道の人達も時々、合気会の稽古に参加するのだが、合気会の人は組みたがらないそうだ。岩間の人は強く抵抗するから、が理由とのこと。
今迄、約10年ほど多くの方を指導してきて、ここまで明確に腹主体で身体を使う方とは初めて出会った。もちろん肥田式に興味があり、腹を使い強い力を出す方も過去にはいた。
丹田返しの場合は、腹が強いと言うより受けた力を意図的に腹を転換点にして返還する技法で、ちょっと違うのため除外。
鍵野さんから受けた印象は、昔の日本人の腹主体で動く、そして腹の強さを垣間見た気がした。
もしかすると、岩間合気道には植芝盛平と肥田春充が生きていた当時、まだ戦後以前の日本人の身体の使い方が色濃く残っているのではないだろうか?
私は、岩間合気道は鍵野さんしか存じ上げないので、他の方が同様な身体の使い方をしているかどうか分からない部分ではあるのだが… そこはご了承いただいて話を進めたいと思う。
因みに、岩間合気道の道場には肥田式強健術の本が置いてあるとのこと。
ここで過去に思いを馳せると、この頃から武道は2極化して行ったように感じる。 1 腹を重視する
2 腹を考慮しない
あくまでも仮説だが…
私が特に関わってきた合気柔術系で話を進める。
1は肥田式強健術や岩間合気道。八光流柔術もそうかも知れない(八光流が平田内蔵吉から学んだ内容に肥田式強健術が含まれていた)。
2は佐川派大東流など。私が門弟だった時期もあり内情が分かるために一つの例として名前を挙げさせてもらう。それから一般的な合気道。
2の人へは発勁、勁力が効く。もちろん化勁体質だと効き難くはなるが。1の人へは発勁、勁力が効かない(効き難い)!
何故か?
腹を使うので、基本的な力が強い。もしかすると、戦後以前(GHQ侵略以前)の日本では、発勁・勁力の様な力は流行らなかったのでは?と思ってしまう。日本人の基本的、地力が強すぎて。発勁は元々、中国武術の技術になる。
そう、この頃から2極化して行ったのではないだろうか?
佐川派大東流の佐川幸義先生は、嫌いな人の手は取らず、嫌いな人が稽古に参加すると、稽古場から去ってしまっていた様だ。これは、技が効き易い人のみを相手にし腕を磨いていたことになる。
腹主体で強い力を出す人は、技が効き難いので勿論、嫌いな人の部類になる。結果、腹を使わないことを前提の世界で進化して行く。
一方、腹を使う方は、更に腹に磨きをかける。双方のその先の未来は言わずもがな。
今回の撮影、鍵野さんガチで抵抗していた。もし、伸張力、勁力、発勁レベルしか出来なかったとしたら…
勿論そんな時は忖度しているとのこと。かの有名な方の時も忖度したそうだ。と言うか忖度しなければいけない雰囲気だったそうだ。
私の知り合いにもいるが、腹を使わなくても優れた身体能力で圧倒的パワーを発揮する人もいる。その様な人に、更に腹を練られたら大変なことになるのは目に見えている。
今回は、岩間合気道の凄さと腹を使わない武道・武術の脆さ、更に言うと昔の日本人の地力を垣間見れた様な気がして、とても貴重な体験が出来た。
今後も、格闘技実況アナ鍵野泰加彦チャンネルの方で順次動画が公開されるので、是非チャンネルを登録して頂いて、中心力の体得まで見て頂ければと思う。(武芸塾チャンネルでは、ダイジェスト版のみ順次公開)




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