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「居つき」の不在と指導の責任 〜ある元塾生との対話〜

2月28日
読了時間: 4分

先日、今は稽古に参加していない元塾生と交流する機会があった。 彼は以前、当塾の稽古に参加し、「合気」や「神」の領域まで学んでいた。


当時、他の塾生数人とトラブルを起こし、結果として塾を離れた過去を持つ。なので私一人だけが感じていることを文章化している内容では無い。現在は別団体を主催し活動している。


久々の交流となったわけだが、彼の口から出たのは、自身の明らかな勘違いに基づいた自論と武芸塾に対する批判であった。


彼の言い分は、「代表(私、緑川のこと)は他の団体や人物を批判ばかりしている」「自分が一番だと思っているのではないか」というものだ。その他に関しても批判をしていた。



私の明確なスタンス


この場を借りて、私のスタンスを明確にしておきたい。


武芸塾には、決して安くないお金を払い、真剣に己の身体と向き合いに来ている塾生たちがいる。その彼らが「あの指導者はどうですか?」「あの団体の技はどうですか?」と真剣に問うてきた時、私は彼らの成長を第一に考えるからこそ、良いものは良い、悪いものは悪いと、一切の忖度なくハッキリ伝えているだけである。


内的練功の上達に対して致命的な妨げとなる「内的エネルギーの滞り」「居つき」に関しては、とてもにシビアに見ていて、その観点から助言している。


もしここで、誰からも嫌われまいと耳障りの良い言葉を並べ、「みんな素晴らしいですよ」などと誤魔化してしまえば、塾生はそれを信じ込み、貴重な時間を奪われ、上達への道を見失うことになる。


私から言わせれば、それこそがお金を払って教えを乞う者に対する「詐欺行為」に他ならない。だからこそ、私は真実を包み隠さず直言する。


しかし、彼にはこの「指導者としての責任と誠意」が全く理解できないようだった。なぜ、これほどまでに本質が伝わらないのか。疑問に思いながら長時間の対話を続けていたが、最後の最後に彼が自白した一言で、すべての謎が氷解することになる。


「実は、『居つく』と『居つかない』の違いがわからない」


我が耳を疑った。 武芸塾の練功において「居つき」の有無を感知し、それを排除していくことは、すべての身体操作の土台となるものだ。


「合気」や「神」という高度な階層まで学んでいたはずの者が、武術において最も致命的かつ基礎的な概念を理解していなかったのだ。


なぜ、基礎中の基礎が欠落したまま、そこまでの段階に進めてしまったのか。それには、私自身の過去の指導環境にも原因があったのではないかと思う。



空間制御・空間操作


当時の私は、塾生たちに「最短最速で上達して欲しい」と願うあまり、稽古場の空間そのものを私が強烈に制御(コントロール)していた。


最近、明確に分かるのは、私が「上手くいくように」と意図を持って見つめるだけで、塾生は自力ではなく、その意念の力に引き上げられ、「理屈は分からないが、なぜか上手くできた」という現象が起きてしまうのだ。その塾生の状況も関係するため100%では無いが…。


つまり、この問題の元塾生は、自らの内部感覚で「居つき」を解消していた訳ではない。私の強力な空間制御という「補助輪」に乗った状態で、なんとなく「合気」や「神」の階層をなぞれてしまっていただけなのだろう。


その「できたつもり」になる弊害に気づいた現在は、各自が本当の実力を自力で養えるよう、あえて空間への過度な制御を行わないようにしている。補助輪を外せば、ごまかしは一切効かないからだ。



こちらは当然、彼が自力で「居つき」を解消し、その共通言語を分かっているものとして会話をしていた。基礎OSが全く違うのだから、会話の歯車が噛み合うはずがなかったのである。


彼は自らの勘違いによる失礼な自論を語り続け、その致命的な認識不足を修正するつもりも一切ないようだった。


このまま彼との関わりを持てば、真摯に正中心を求めている他の塾生たちに対し、確実に悪影響を及ぼす。我々の場は、本気の求道者だけが集う純度の高い空間でなければならない。


よって、私は自他への影響を断ち切るため、彼に対し明確に「武芸塾 出入り禁止」の処分を下した。


居つきは、初めは分からないものだ。しかし練功を続けていけば、違いが明確になる。これまでの指導実績があるので、自信を持ってそのことを言える。


今はまだ分からない、という方は焦らなくても大丈夫。謙虚に練功を続けていけば、そう遠くない未来に分かる時が来る。


「居つき」という自己のノイズから目を背け、耳障りの良い言葉だけを求める者に、武術・術の深淵は見えない。 我々はこれからも、本物を求める少数精鋭の同志たちと共に、甘えのない真実の道を歩み続けるだけである。


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居つき解除の感覚が掴める、練功用動画を最近公開した。こちらを聴きながら站椿功や練功を行うと、感覚を早く掴めるようになる。このようなツールを使って早く上達し、その先の課題に取り組んで頂ければと思う。



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