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締め付けが技を殺す?「空間制御」の練功法も紹介

2025年9月20日
読了時間: 4分

今回は、武術の稽古を通じて発見した、少し不思議で奥深い真理について話したいと思う。肉体や技術の習熟度だけではない、見えない力が技の効きに大きく影響している。



締め付けが技を妨げる?


事の発端は、ある日の稽古での出来事。


締め付けの強い服を着ていた塾生が、何故か技がスムーズにかからない。何度試しても、技が甘くなり、相手に抵抗されてしまう。ところが、その服を脱ぐと、いつものように技がかかる。


この経験から、以前にも、締め付けによって技が弱くなる現象を何度か目の当たりにしていたことを思い出した。現象は知っていたが、これは一体どういうことなのか? 



指に巻いたテーピングの不思議


身体の締め付けが技を妨げるのであれば、ごく小さな部位でも同じことが起こるはず。と言うことで、指にテーピングや絆創膏を巻いてみるとどうなるのか? 実験を試みた。


結果は… ほんの小さなテーピングが指に巻かれているだけなのに、技の効きが明らかに悪くなる。技が全くかからなくなることもあれば、相手に抵抗されて技が不完全になることも。


これ自体大きな発見ではあるが、さらに私はある一つの真理に気付いた。


技の効きは、肉体そのものや技術の習熟度だけでなく、その肉体の「周囲の空間」にも大きく左右されるのではないか…


武術の世界で言う「居つき」とは、動きが滞ったり、不意に力が入りすぎたりして、相手に抵抗する「拠り所」を与えてしまう状態を指す。


テーピングを巻くことで、肉体だけでなく、その周囲の空間にも「居つき」を生じさせ、技を防ぐ側が無意識にそれを察知し、抵抗の「拠り所」にしてしまっているのだ。もちろん、テーピングを巻いた本人が居つく空間を生じさせている。



長年の練功がもたらした「能力」


この仮説をさらに検証するため、後日の稽古で塾生たちに協力してもらい、さらに踏み込んだ実験を行ってみた。


まずは、指にテーピングを巻いた状態で技を試してもらい、技の効きが甘くなることを確認。次にテーピングを外し、通常通り技がかかることも確認できた。やはり皆、一様に技の効きが悪くなっていた。


次に、私が「意念」で塾生の指周りの空間を「居ついた空間」にする試みを行った。


この、空間が「居ついている」状態を手に取るように感じ取る能力は、長年の練功の賜物。私にとって、空間を「居つかせたり」「解除したり」することは、まるでスイッチを切り替えるごとく容易にできる。


結果は、試した3組の塾生すべてで同じ反応だった。私の意念によって指周りの空間を「居つかせた」途端、技の効きが明らかに悪くなった。これは、技を防ぐ側が、目に見えない空間の変化を本能的に察知し、そこに抵抗の「拠り所」を見出していることを示唆している。



空間の「居つき」を感じ取る方法


では、どうすればこのような空間の変化を感じ取れるようになるのか?


これは深い次元、または別次元でその空間を感じ取ろうとする意識を持つことが重要。合気が分かる方であれば「空間に合気をする」と感じ取りやすい。


まずは、簡単な実験から始めてみよう。


  1. 指にテーピング、または絆創膏をきつめに巻いて、その指周りの空間に居つきが生じているのを感じ取ってみる。

  2. 次にテーピング、絆創膏を外した時の空間の「軽さ」や「透明さ」といった違いを感じ取る。

  3. 最後に、意念で先ほど覚えた「居ついている感覚」を空間に表してみる。


きつめに巻いた時に居ついた感覚、締め付けられた感覚を残したまま、2を行うと「軽さ」「透明さ」は感じられない。これもヒントになるだろう。


もし意念によって居ついた空間が作れたら、今度は逆に「居つかない空間」に意念で変化させてみる。


この信じられない変化を体感できれば「そんなことはあり得ない…」という固定概念がなくなり、武術の技はより効きやすくなる。上手くいかない時、空間はどうなのか?も自然とチェックするようになるだろう。


私たちの身体や精神は、私たちが思っている以上に、周囲の空間と密接に繋がっていると言える現象だ。



指導者としての責任


今回の発見は、指導者としてのあり方にも大きな気づきを与えてくれるものだった。


私は、意念によって空間を意図的に「居つかせる」ことに気づけたため、相手を上手くさせたり、逆に技を掛けにくくさせたりすることが、より明確に可能となった。


これは一見すると素晴らしい能力に思えるが、指導においては非常に危険なことでもある。なぜなら、私自身がニュートラルな状態で指導しなければ、塾生は自分の本当の技の効きを正しく知ることができず、上達の妨げになってしまう。



今回の経験を通じて、武術の真髄が、単なる肉体的な強さや技術の鋭さだけではないことを改めて認識できた。技の効きは、肉体と、その周囲の空間が織りなす繊細な関係によって成り立っている。


今回、塾生同士の実験に夢中で、自分が試すのをすっかり忘れてしまった。次の機会に試してみたいと思う。


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